お笑いコンビのサンドウィッチマン、伊達さんと富澤さんの二人が、テレビ番組で「ダイエット」をテーマにした9マスの活用法を解説(?)していました。爆笑を誘いながらも、9マスを埋める際のポイントが鋭く押さえられていたのは、流石というほかありません。
そのやり取りの一部を紹介させてください。
伊達:「うーん、難しいな……」
富澤:「何やってんの?」
伊達:「あ、お疲れ。今さ、あの『マンダラなんちゃら』っていうのをやってんのよ」
富澤:「なんだよ、マンダラなんちゃらって」
伊達:「あの、ほら。大谷翔平選手が高校時代にこれやってたっていうやつ」
富澤:「あー、目標達成のために書くやつね」
9マスの真ん中のマスには、「-10kg」と大きく書かれています。
伊達:「そうそうそう。これで俺、ダイエットをしたいのよ」
富澤:「ダイエット、いいじゃん」
伊達:「で、今具体的に書いてみたんだけど、1つ浮かばないんだよね。あと1つ、足りないんだよ」
富澤:「1つ?」
最後の1マスがどうしても思い浮かばない。これは9マス実践者にとっての「あるある」です。
伊達:「うん。何か無いかね、ダイエットに効くやつ」
富澤:「ダイエットだったら、プロテイン飲むとかいいんじゃない?」
伊達:「あ、プロテイン。いいね、効きそうだ。プロテインと……よし、これで全部埋まった! できた! これでマイナス10キロいけるんじゃないかな」
富澤:「……どんな感じ?」
伊達さんの9マスは、全てのマスが埋まりました。しかし、その中身はあまりにストイックすぎるプランでした。ここから、富澤さんによる検証が始まります。
富澤:「あのさ、ちょっと伊達さん。一回冷静になって考えてもらいたいんだけど」
伊達:「俺は冷静だよ、いつも」
富澤:「これさ、毎日できるか? マラソン10キロ」
伊達:「……(沈黙)考えられねえ。無理だよね」
富澤:「びっくりしたでしょ、今自分で見て」
伊達:「びっくりした。マラソン10キロはちょっと難しいな。冷静になったら、毎日は絶対に無理だわ」
自分に優しすぎる「SDGs」なプランへ
富澤:「もっと自分に優しく、持続可能な『SDGs』なプランにしたほうがいいよ」
伊達:「あー、SDGsな。続けないと意味ないもんね。どうしようか、じゃあこのマラソン10キロ」
この「持続可能なSDGsなプラン」とは、まさに本質を言い当てた名言です。
富澤:「変えていったほうがいいだろ。これ、変えよう」
伊達:「変える。マラソンっていうのがちょっとな……」
富澤:「難しいだろ」
伊達:「散歩でいいんじゃない?」
富澤:「散歩にしよう。散歩だったらできるもんね」
伊達:「散歩、10分。散歩10分でいい? ありがたい。散歩10分ね」
伊達:「……じゃあ水泳2時間は?」
富澤:「水泳2時間、これはもう風呂でいいでしょ」
伊達:「一緒だもんね、水の中だから」
富澤:「そうだよ、これ風呂だよ」
伊達:「風呂な。風呂2分でいいかな」
富澤:「いいよ、2分で」
伊達:「腕立て・スクワット100回ずつっていうのも……」
富澤:「これ、一桁でいいんじゃない? 1回」
伊達:「1回でいい? 助かるー! 続けていかなきゃいけないからね。腕立て・スクワット1回ずつ、と。食事はどうしようかな、夜9時までっていうのも……」
富澤:「9時までは難しいね」
伊達:「12時……いいの? あ、でも12時まで仕事あるもんな」
富澤:「あるよ。深夜2時だ」
伊達:「深夜2時までいいんですか!? ありがとうございます。食事は深夜2時まで」
伊達:「でお菓子なんだけど、これ、ごめん。食べちゃうのよ」
富澤:「食うだろ。もう『食べる』でいいよ」
伊達:「食べていいのね? ありがとうございます。じゃあ、『食べる』にするね」
伊達:「プロテインって、これどこで売ってるの?」
富澤:「わかんないよね。これはだから、プリンでいいんじゃない?」
伊達:「プリンでいい!? やったー! じゃあ毎日プリン食える! コンビニで売ってる?」
富澤:「売ってる売ってる」
伊達:「じゃあプリンにするわ。これで、マイナス10キロ。……って、なるか、こんなもんお前!」
富澤:「ん? プラス10キロになるんじゃない?」
伊達:「ちょっと甘やかしすぎた……甘やかしすぎも大概にしなきゃいけないな」
この二人のやり取りには、私たちが9マスを書く際に陥りがちな「二つの極端」が鮮やかに示されています。
一つは「ストイックすぎると挫折する」という伊達さんの初期案です。理想を追いすぎると、心と体が悲鳴を上げ、数日も持ちません。
もう一つは「甘すぎると結果が出ない」という修正案です。これでは変化は起きません。
この両極端を客観的に眺めることで、読者は「自分にとってのちょうど良いSDGs(持続可能)なライン」を探そうという気持ちになれるはずです。
9マスには、背伸びしすぎず、それでいて心地よい緊張感を持って「これなら続けられる」と思える計画を書くのが正解です。サンドウィッチマンのお二人、素晴らしい教訓をありがとうございました。
