[Embrace your uniqueness~ファッションブランドmäisaの服のこと~] 第3話:繋がり合ってできたもの

10年程前にパリにあるノートルダム大聖堂で、パイプオルガンの生演奏を聴きました。耳で聴いたというよりは、全身で聴いたという方が正しいかもしれません。美しい音は大聖堂中に反響し、私の身体に振動として伝わってきました。随分前のことですが、言葉にできない感情に溢れ、自然と涙が流れてきたのをよく覚えています。

本当に素晴らしいものとは、こういうことなのかと初めて経験した出来事でした。

ゴシック様式で造られた大聖堂は天に向かって高く伸びるような設計。大聖堂内は緻密にデザインされ、一点一点手によってつくられた繊細な芸術で満たされていました。時代を通して技術や知恵を受け継ぎながら、多くの人の手により創り上げてきた壮大な作品の一部を垣間見ることができました。

その中でもアーチ状に高く伸びた窓、その中に光を通して綺麗に映し出されたステンドガラスの絵に心が動かされました。今回ご紹介する服はアーチ状の窓と、そこから流れるように差し込む光から着想を得て製作。前側のアーチ状に深く切り込んだデザインがポイントです。後ろ側の半透明な生地にフレアを入れ動きをだし、差し込む光をイメージしました。

芸術作品のみならず、日常の中であって当たり前となっている全てのモノも、先人達の技術と知恵の積み重ねと組み合わでできています。洋服を製作する際にも、ミシンを動かしたり、スモッキングや刺繍の技法を使いますが、その度にこうした技術を編み出した先人達へ畏敬の念を感じずにはいられません。

歴史という長い観点からみて、知恵や技術、経験、感性を持つ個人がひとつの点だとするとと、それらが繋がり合って素晴らしいものが生み出されています。個人の人生という小さな観点でみたとき、ひとつひとつの出来事が全く関係ないことでも、振り返っていれば繋がっているように。

未来を見て、点を結ぶことはできない。

過去を振り返って点を結ぶだけだ。

だから今していることが、
いずれ人生のどこかで実を結ぶだろうと信じなければならない。

自分の勇気、運命、人生、カルマ、それがなんであれ。 

やがて点と点がつながると信じることで、
たとえそれが皆の通る道からはずれていたとしても、
自分の心に従う自信が生まれます。

これが大きな違いをもたらすのです。

– スティーブ・ジョブズ

mäisa代表

佐野 舞華

さの まいか

2021年に東京でファッションブランドmäisaを立ち上げる。mäisaのブランドコンセプトは「Embracce your uniqueness」。ありのままの自分と向き合い、自分の個性をあたためて生きて行くという思いが込められている。自分を大切にしながら前向きに生きる女性に寄り添ったブランド作りをしている。

[ 公式サイト ]
https://maisa.official.ec/