一切は空。

11月4日、今日は、わたしにマンダラを教えてくた松村寧雄(まつむらやすお)先生の命日なので、松村寧雄先生のことを書きます。

わたしが1998年に起業したとき、毎月、東京の虎ノ門パストラルで開催していた松村先生の「社長セミナー」に通いはじめました。社長セミナーは「仏教の智恵を経営に活かす」がテーマでした。それが縁でわたしたちは、松村先生が開発した「マンダラ手帳」のネット販売のお手伝いをさせていただきました。ですから、松村先生とわたしは毎月1回のセミナーの他に、仕事でも会う機会がありました。他のセミナー受講生から見ると、とても贅沢なことでした。

お亡くなりになる前の一年間は毎月お会いして、松村先生の半生を、”私の履歴書”風にまとめる機会にも恵まれました。松村先生と朝9時から打ち合わせの約束をすると、先生は8時に来ていました。事務所での打ち合わせは1時間もしないで終わりました。そして、朝9時から近くのロイヤルホストで打ち上げのビールを飲むのが定番になりました。打ち合わせの本番はいつもここからでした。お店がランチタイムに変わるころまで、打ち合わせは続きました。

もし、松村先生が今生きていたら、どんなセミナーをしていたのだろうかと考えることがあります。仏教の教えに「因縁」があります。物事には全て原因があって結果があるという教えです。わたしが今、マンダラをベースにした9マスノート『M9notes』を作って販売しているのは、偶然でなく必然だったのでしょうか。わたしの行動は世の中の役に立っているでしょうか。誰かの人生を豊にすることができるでしょうか。

そんなことを考えているといつも、スーツをパッリっと着てネクタイをしめた松村寧雄先生が出てきて、「ガハッハッハッ!」と大きく笑って「中島さん、一切は空です」と一言われて終わります。

書きはじめはもっと違うことを書こうと思っていましたが、こうなりました。松村寧雄先生、ありがとうございました。

中島正雄