いよいよ、初の商業出版の原稿が最終確認まで来ました。やりとりにメールを使うようになって四半世紀になるというのに、メールのキャッチボールは未だに面倒だと思わされています。
今回の本でわたしがこだわったのは、見開きで左ページに図画があり、右ページがテキスト(本文)になっていることです。右左両方がテキストの場合は、空いているスペースにイラストや写真を入れました。これでページの見開き全てに図画があります。
ページ数は68ページ。文字数は12,000字くらいと少ないです。その分、9マスや81マスの事例を沢山載せました。本は3分で読めるように考えて作りました。
お蔵入りした原稿の中から一つ紹介させてください。
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「紙に書く」
スマホ時代になり、紙に字を書くことが少なくなったと思います。手を使って、どんな字だったのか、きちんと認識しながら書くこと、限られたスペースに指先を器用に使って書くことが新鮮な感じがすると思います。自分の筆跡もわかります。手書きの文字には、そのときの気分が筆跡に現れます。
長い文章を紙に書くことも少なくなっていると思います。スマホやパソコンで書くスピードはとても速く、人間の頭で考えるスピードに合っていないと言われています。手書きのスピードは、人間の頭で考えるスピードにちょうどいいスピードです。自分の頭を使って考えるときは、紙に書くがベストです。手にペンを持って紙に書くことで人間が本来持っている能力を引き出して使うことができます。
「妄想を理想に、理想を現実に」
どんな素晴らしいアイデアでも、頭の中にあるうちは妄想です。頭の中にあることを文字にして紙に書き出して言語化してはじめて、アイデアは妄想から理想になります。
わたしたちは、自分の考えていることを紙に書くことで思考を深めることができます。自分の頭の中にあることを言語化すると自分の考えを俯瞰して客観的に見ることができます。9マスは、ものごとを深く考えることができる構造です。
理想を現実にするには、やるべきことを具体的にしてから行動することです。決して、やみくもに行動してはいけません。早く確実に理想の自分に近づくには、紙に書くことは欠かせない手順です。
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「妄想」と言われたのは、わたしが起業を考えていたときに経営計画の作り方を教えてくれた南後さんでした。南後さんにわたしは、口酸っぱく「妄想ではダメだ」と言われました。わたしは「妄想」という言葉を聞くと今でも南後さんを思い出し、初心に帰ります。
この原稿と差し替えに事例を2つ載せました。
中島正雄