ピンズコミュニケーション

4年に一度のサッカーワールドカップがカタールではじまりました。どうしてでしょう、サッカーの試合はリアルタイムでテレビで観戦します。そういえば、リアルタイムでテレビ番組を見るのはサッカーの試合くらいで、あとの番組は自分の都合のいいときに見逃し配信で視聴するようになっています。

わたしは、こうした国際的なイベントがあると”うずき出す”ことがあります。それは、わたしはピンズ(PINS)のコレクターだからです。ピンズとは小さなバッジのことです。裏に針があり、バタフライクラッチと呼ばれる留め金でジャケットの襟や帽子などに挿して着けます。ピンバッジと呼ぶ人もいますが、ピンズが正しいです。よく「ピンズを何個持っているのですか」聞かれることがあります。わたしは「もう数えることができないくらいあります」と答えます。

わたしにはピンズコレクターの師匠がいました。故・板谷金吉さんでした。わたしは師匠の教えから、1年に一度、コレクションの中からピンズを選びフレームに収めて、地元にあるフランスレストラン「HxM(アッシュエム)さんの壁を借りてピンズコレクション展を開催しています。今年で9回目になります。(12/4まで開催しています。ぜひご覧ください)

ピンズは、大きな国際的なイベントがあると活発になります。大会主催者が作って配布したり、スポンサーの企業がそれぞれ個性的なデザインのピンズを作って配布します。例えば、メディアが選手や街の人にインタビューをすると、ありがとうの思いを込めてピンズを渡すようです。イベントの開催中は、ピンズを沢山着けている人がいます。見知らぬどこの国の人かもわからない人に、そのピンズ素敵ですね。わたしのピンズと交換してください。身振り手振りでコミュニケーションします。そういうときは、言葉はわからなくても気持ちで通じます。こうして入手したピンズはお金で買えない価値があります。

わたしが作ったピンズの箱の裏にある板谷さんのメッセージを披露します。

お気に入りのピンズをジャケットの胸や帽子につけファッションとして楽しみ、
出会った人々にピンズ自慢を語り興味を示したら、
ポケットに忍ばしたピンズをプレゼントする。
ピンズは交換するものである事を伝え、
次回会った時にピンズをもうらう。
そして友情とともにコレクションボードに収める。

これを「ピンズコミュニケーション」といいます。
わたしは、気に入ったピンズを見つけたら2つ買います。
ピンズをポケットにたくさん忍ばせてカタールに行きたい。

中島正雄