「やさしくデジタル」とは、コンピュータリブ社のキャッチフレーズです。馴染みのあるものでは、「愛は食卓にある」キューピーや、「お口の恋人」ロッテ、「植物のチカラ」日清オイリオ、「お、ねだん以上。」ニトリなどがあります。
コンピュータリブ社の場合は、キャッチフレーズが先で経営理念が後でした。「やさしくデジタル」が出来たのは、1998年です。世の中にスマホはまだ無く、ノートパソコンを一人一台持つようになり、電子メールでコミュニケーションをはじめたころです。ホームページも、よちより歩きをはじめたばかりでした。
わたしは体育会系の食品メーカーの営業マンでしたが、コンピュータが大好きでした。時代は海外からコンパック、デル、ゲートウェイの安いパソコンが入ってきたDOS/V革命、パソコン通信ニフティサーブの電子メール革命、そして、インターネットの波が一気に押し寄せて来ました。わたしはいてもたってもいられず、とうとう好きを仕事にしました。最初はノートパソコンを設定して企業に納品する仕事でした。パソコンを目に前にすると、若手社員は目を輝かせますが、歳上のベテラン社員は不安そうでした。わたしはパソコンで、人間関係がギズギスして行くような気がしました。パソコンは便利な道具なのに、これでは本末転倒です。
パソコンのおかげで、仕事のデジタル化が叫ばれるようになってきました。日本の社会に、仕事中に目上の人が若手に仕事のやり方を聞くなんてことが、今まであったでしょうか。どうしても同じことを何回も聞いてしまうので、聞かれた方も受け答えが乱暴になることがあります。パソコンが使えるのと、その人の全く人格は関係ありません。パソコンを使えるからといって偉くありません。「やさしくデジタル」は、そんな自分への戒めの言葉でもあります。
やさしくデジタルには、
やさしく”スマホ”を使いたいね~
やさしく”パソコン”を使いたいね~
やさしく”インターネット”を使いたいね~
人にやさしくしたいね~
自分にやさしくしたいね~
という思いが込められています。
「やさしい」という言葉は、漢字で書くと優しい、易しい、英語だとkind、friendly、gentle、tender、sweet、easyなどです。どれも「やさしくデジタル」の「やさしく」です。
デジタルの先には人がいます。
パソコンは人と会うための道具です。
「やさしデジタル」は四半世紀経った今でも変わらないような気がいたします。
今日も、「M9notes」に来てくれてありがとうございます。
一人新聞『やさしくデジタル』の原稿を作っています。「やさしくデジタル」と考えたころのときと思い出していました。
中島正雄