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青色のペンで、心を整える

青色のペンで、心を整える

ある日、M9notesを使っている松山の長坂是幸さんから、こんなメールをいただきました。

先日、ロフトにこんなポップがありました。
「青はストレスを解消し、集中力を高める」
今は、青のボールペンを持ち歩いています。
M9notesを開発していただきありがとうございます。
-長坂是幸 拝

青色の文字は、私たちの心や思考に確かな作用をもたらすようです。
実際、私自身も青インクのペンを好んで使っています。

青い文字で書くと、不思議といいアイデアが浮かんできたり、気持ちが落ち着いたり。
青色には、そんな「考えること」と「感じること」の両方を後押ししてくれる力があるのだと思います。

青は“思考の色”であり、“対話の色”

青インクの文字について語るなら、この人を外せません。
作家・片岡義男さんです。

片岡さんは、著書『万年筆インク紙 』の中でこう語っています。

「青は認識の色なのだ。認識を思考と言い換えるなら、青は思考の色だ。」

片岡さんは、小説の構想メモや下書きを書くときから青インクを使います。
それはまるで、心の奥深くにあるひらめきと対話しているかのようです。
青いインクの文字が、感性や直感を引き出すスイッチになっているのかもしれません。

ハガキ道の実践者・坂田道信さんもまた、青インクに強いこだわりを持つ一人です。
坂田さんは、平均1日30枚、年間でおよそ1万枚のハガキを書く方で、専用の郵便番号を持つほどです。

坂田さんが実践しているのは「複写ハガキ」という手法。
ハガキの下に同じサイズのノートを敷き、間にカーボン紙を挟んで、書いた内容をノートにも複写するというスタイルです。
そのカーボン紙の色も、やはり青。

「なぜ青なのですか?」と伺うと、坂田さんはにっこり笑って、こう答えてくれました。

「格好いいから。」

そして、こうも話してくれました。

「青色は、黒よりもやわらかくて、読む人に優しい印象を与えられる。」

誰かにハガキを書くという時間は、同時に自分自身と向き合う時間でもあります。
坂田さんが青色を選ぶのは、心と対話する手段として、自然に行き着いた答えなのかもしれません。

青インクで心が整う

サッカー日本代表でキャプテンを務めた長谷部誠選手の著書『心を整える。』。
実はこの本、全ページが青インクで印刷されています。
まさにタイトル通り。印刷にまでその精神が貫かれていて、思わず「さすが」と唸りました。

青インクには、思考をクリアにし、気づきや発見を促す力があります。
そして同時に、心を落ち着かせ、前向きに整えてくれる力もあるのです。

M9notesと青色インクの相性

M9notesの紙の色は、目にやさしいクリーム色です。
この色は、青色インクがもっとも映えるように設計されています。

青色インクで、ひらめきをキャッチ。
M9notesで、思考を整理。

M9notesと青色ペンは、考えるための最高の道具です。

(中島正雄)

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道具に宿る思想

ビジネスパーソンの仕事の道具といえば、今の時代はやはりスマートフォン(スマホ)でしょうか。

スマホがあれば、ポケットに収まるし、鞄も不要。
ノートも、パソコンも、ペンも必要ない。
電子マネーも使えるから、カードケースも財布もいらない。
腕時計すら不要かもしれません。

スマホは、まるで魔法の道具のようで、たしかに便利。
でも、私からすると、
どこか味気なくて、ちょっと、つまらない。

スマホは、新しいほど性能が良く、使いやすい。
その一方で、古くなったスマホは、あっという間に「使えないもの」になってしまう。
果たして、そんなスマホを“道具”と呼べるのだろうか?
私は、ふとそう思ってしまいます。

最近は、昭和の時代の価値観が揶揄されることも多いですが、
私もその昭和世代のひとり。

かつてのビジネスパーソンの道具といえば、
手帳、名刺入れ、ノート、ペン、そして鞄でした。

お客さまとの打ち合わせの場では、
まず鞄からノートとペンケースを静かに机の上に置き、
相手の目を見て、しっかり話を聞き、必要なことをメモしたものです。

今でも、そんな営業マンに出会うと、
「この人、できるな」と思い、安心して仕事を任せたくなります。

そして、わたしはつい、その人がどんなペンを使っているのかを見てしまう。

企業のノベルティやイベントで配られた安価なペンや、
透明な軸の軽そうなボールペンを見ると、
さっきまで高まっていた信頼が、少しトーンダウンしてしまう。

かといって、高級ブランドのペンなら良い、というわけでもありません。

大事なのは、その人の身の丈に合った道具であること。
そこに、気持ちや仕事への姿勢がにじみ出ていれば、それはきっと相手にも伝わります。

たとえば、モンブランやペリカン、ラミーといったペンを使っている人を見ると、
「ああ、この人は仕事に真剣だな」「自分に投資しているな」と感じて、
こちらの気分も自然と上がってくるのです。

保険の契約(何千万と支払うことになる契約)や、車の購入契約など、
そんな大きな意思決定のサインを、プラスチックのボールペンで書いてくださいと言われたら、どう感じるでしょうか?

名刺入れにしても、鞄にしても、手帳しても、同じです。
そこに思いが込められているかどうか。

もちろん、スマホでなんでも済ませてしまうのもアリです。
でも、逆の立場になったとき、スマホで適当に扱われているように感じたことはないでしょうか?

道具というものは、使えば使うほど、その人の手に馴染み、
その人の雰囲気と一体化してオーラを放つようになります。

そして、
古くても、大切に使い続けていることが伝わる道具には、美しさがあります。
そこには、持ち主との物語が感じられるのです。

道具を大切にしている人は、仕事も、お客さまのことも、そして自分のこともきっと大切にしているはず。

「仕事ができれば、何を使ってもいい」
私は、そうは思いません。

こだわりを持って、目の前のお客様のことを丁寧に考える。
その姿勢は、きっと道具にもあらわれる。

道具は、大事な仕事の相棒です。

(中島正雄)

M9notesが多くの人の相棒になったらいいなーと思っています。

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M9notesでヒアリング

ヒアリングというと、「質問リストを順番に聞いていく作業」をイメージする人が多いかもしれません。
しかし、M9notes を使えば、決まった順番通りに質問する必要はありません。
会話の流れに沿って、自然に必要な情報を引き出すことができる。

これが、9マスノートの大きな強み です。

9マスでヒアリングをスムーズに

通常のヒアリングシートでは、あらかじめ質問をリスト化し、それを順番に聞いていくのが一般的です。
でも、実際の打ち合わせや商談では、想定していなかった話題が出てくることもしばしば。

M9notesをヒアリングシートとして使うと、一問一答のような形式に縛られず、相手の話を自然な流れで引き出すことができる ようになります。

たとえば、提案に必要なヒアリングの項目(What→Why→How→When→How much→Who)を以下のように9マスで構成しておきます。

M9notesでヒアリングシート

この9マスに沿って話を聞いていくと、情報が自然に整理されていき、話の本質をつかみやすくなります。

9マスはリスト形式ではないので、順番を気にせず自由に会話を進めることができます。
全てのマスが埋まれば、ヒアリングは成功です。

9マスの「空白」が生み出す深いヒアリング

M9notesをヒアリングに使うとき、あえて1マスを空けておくのがポイントです。

  • 空いているマスがあると、「何か書きたくなる」「聞き出したくなる」
  • 会話の流れで自然と出てきた気づきや新たな質問を書き込める
  • ヒアリングの終盤、雑談の中で出てくる“本音”や“核心”に触れることもできる

たとえば、打ち合わせの終盤、
「実は……」と相手がポロっとこぼした重要な情報。
そのとき空いているマスがあると、即座に書き留めることができます

さらに、周囲の余白を使うのもおすすめです
私自身、余白に書いた一言が、後々とても役に立ったという経験が何度もあります。

ヒアリング後に見返すと、鮮明に思い出せる

M9notesでヒアリングを記録しておくと、あとで見返したとき、そのときの会話や空気感まで鮮明に思い出せるという不思議な効果があります。

  • 「あのとき、相手はこう言っていたな」
  • 「この部分、もっと深く聞いておけばよかったかも」
  • 「ここは確認し直した方がいいな」

9マスというフォーマットのおかげで、情報が視覚的に整理されているため、単なる文字の羅列よりも記憶がよみがえりやすい

ヒアリングの“振り返り力”が上がるのも、M9notesの大きな特長です。

M9notesをヒアリングに使うメリット

  1. 順番に質問しなくていい → 会話の流れに合わせて自然に聞ける
  2. 空白のマスがあることで、「もっと聞いてみよう」という気持ちが生まれる
  3. 雑談の中で出てきた大事な情報も逃さず書ける
  4. 視覚的に整理されるので、後から見ても要点がすぐわかる
  5. 会話の雰囲気や流れまで、後で思い出せる
  6. 後から読み返して、新たな気づきやひらめきがある

M9notesは、
単なる質問リストではなく、会話を深め、相手の本音を引き出し、後からも活かせる「気づきのノート」 になります。

「ヒアリングが終わってからが本番」。
そんなふうに思える一冊を、あなたも作ってみませんか?

M9notesヒアリング例

  • 視覚性と実用性が両立している
  • 9マス形式の配置が見やすく、話の内容が視覚的に整理されているため、見返したときに記憶がよみがえりやすい。
  • 手書きで温かみがあり、ラフな会話の中で出た情報もすぐ書き込める柔軟さが伝わってきます。(パソコンやタブレットに入力するより、ノートに手書きの方がお客さまの心象が良い場合がある
  • あえてマスを一つ空けておき、「わざと空けておく」と明示してあることで、後半の雑談や気づきを逃さずキャッチできる構造に。
  • ヒアリングが「一方的な質問」ではなく、「対話として進んでいく」ことを象徴しています。
  • 「誰と、どこで、いつ」という基本情報が記載されており、後から見返しても文脈が思い出しやすい。
  • 「補助金?」「★提案」など、ちょっとした記号や印が記憶を呼び起こす鍵になっている点が秀逸です。
  • 行動項目や提案内容が「メモ+視点整理」として機能しており、そのままToDoリストにもなりうる。

(中島正雄)

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アイデアは逃げ足が速い

アイデアというものは、「良いアイデアを出そう!」と意気込むと出てこない。
逆に、何も考えていないような無防備なときに、ふっとやって来るから厄介です。
そんなアイデアを、うまくキャッチしておきたい。

最近、朝、駅まで歩いているときにアイデアがふと降りてくることが増えました。
「そうだ!この提案をしよう」とひらめいたり、「今日はあれをやらなくちゃ」と思い出したり。
忘れていたことが急に浮かぶこともあれば、コラムの原稿のアイデアが突然降ってくることもあります。

ところが、「あとでメモしよう」と思っているうちに、すっかり忘れてしまう。
電車に乗ったころには、ついさっきひらめいたことが思い出せません。

「あのとき、メモしておけばよかった…」

こんな経験を何度もして、野口悠紀雄教授の言う「アイデアの逃げ足は本当に速い」という言葉を実感しました。

アイデアを逃さないためにメモを取る

頭に浮かんだアイデア、気づき、発見、ひらめきを逃さないために、私は必ずメモを取ります。

多くの人はスマホに入力したり、写真を撮ったり、音声を録音する方法を選ぶかもしれません。
しかし、私はポケットサイズのM9notesに、青色インクのペンで書くことを好んでいます。

M9notesのポケットサイズは非常に頑丈で、使い始めは少し硬いですが、その耐久性が気に入っています。
ページが破れても、糸で綴じられているため、反対側のページが落ちることはありません。

野口教授が言うように、付箋や紙片、カードにメモをすると、どこに行ったかわからなくなることがあります。
だからこそ、ノートにメモすることで、大切なアイデアを失うことはありません。

アイデアは、ノートにすぐに書くのが一番おすすめです。

アイデアを捉えるにはメモ帳が不可欠

アイデアは、いつでも、どこででも、遠慮なく突然浮かびます。
しかも、メモできないような場所—お風呂やトイレの中—で思い浮かぶことが多いのです。

まさに、アイデアの逃げ足はとても速い。
人間は思っている以上に多くのことを考えているものですが、
その多くが捉えられないまま、消えてしまっているのが現実です。

浮かんだアイデアを素早く捉えて記録するためには、メモ帳が不可欠。

私のおすすめは、3×3の9マス罫線が入った丈夫な「M9notes」ポケットサイズ。
メモ帳は1冊にまとめ、公私混同で時系列に記録するのがベストです。

メモ帳に記録することは、人生を豊かに生きるコツの一つ。
今日から、あなたも「逃げるアイデア」をM9notesで捕まえてみませんか?

(中島正雄)

アイデアは、一人でいるときに突然訪れることが多いようです。
例えば、お寿司屋さんのカウンターで一人でいるときも、ふいにやって来ることがあります。

思考が静かになると、新しいアイデアが生まれるのかもしれません。

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M9notesの「 M 」に込めた思い

M9notesの「M」に込めた思い

M9notesのネーミングを考えたときのことです。

私は自称、マンダラチャートの開発者・松村寧雄先生の弟子でした。
2004年にはインドを訪れ、ブッダの悟りの道をたどる「ブッダゴールデンロードの旅」もご一緒しました。
その旅でわかったのは、マンダラはインドにはなく、発祥は中国だったということでした。

(なんと、落ちこぼれの弟子だったことでしょう。)

自分好みの9マスノートを作るにあたり、ネーミングは「M9notes」にしました。
実は、それほど悩むことはありませんでした。

「M9notes」という名前の由来

松村先生のセミナーに通うようになって数年、9マスノートはまるで魔法のノートだと感じていました。

もし自分が9マスノートを作るなら、そのネーミングには「魔法のマ」の「M」を入れたい。
英語でも「Magic」の「M」なので、ぴったりです。

さらに、BMWやベンツ、ライカカメラのように、数字を組み合わせたネーミングにしたいとも考えました。
「M9」という響きには、どこか機能的で洗練された印象があるように思えたからです。
また、数字は男性の関心を引くとも考えました。

「M」に込めた、もうひとつの意味

この「M」には、あとから気づいた意味もあります。

マンダラの「M」

M9notesの発想のルーツには、やはりマンダラがあります。
ちなみに、英語で「Mandala」は「M」で始まりますが、最後の「ラ」は「r」ではなく「L」です。
英語と日本語、どちらも「M」ではじまる。

瞑想(Meditation)の「M」

9マスノートに向かって考え、書くことは、自分を見つめる行為でもあります。
それは、まさに「書く瞑想」。
瞑想の英語「Meditation」にも「M」が含まれています。
これも英語と日本語、どちらも「M」。

メモ(Memo)の「M」

ノートの本質は、記録すること。
いつも1冊のノートを持ち歩き、公私混同でその瞬間の思考を書き留める。
ノートに書いたら、頭の中からいったん忘れる。

つまり、ノートに思考を移動させ、頭を空けるのです。
そして、空いた頭でまた新しいこと、人間にしか考えられないことを考えてほしい。
これもまた英語と日本語、どちらも「M」。

そんな願いを込めて、M9notesを作りました。

(中島正雄)

そして、もうひとつの「M」
最後に、正雄(Masao)の「M」も意識しました。

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マスに書く

マスに書く

9マスノートの良いところは、「マスの中に書く」 ことです。
普通のノートのように文章を長々と書くのではなく、マスの中に収まる短いフレーズで書くのがポイントです。

また、小さな文字で書くのではなく、はっきりと読める大きさの文字で書くのがよいでしょう。

マスに収めるためには、不要な言葉を削ぎ落とし、文法を無視した2~3語のシンプルなフレーズにする必要があります。
さらに、その限られたマスの中で、具体的に書くことが大切です。

マスに書くことで目標が具体化する

例えば、「ダイエットの9マス」を考えてみましょう。

ただ単に
「10キロやせる」
と書くより、

7月までに▲10キロ
としたほうが、「いつまでに?」という期限が明確になるため、より目標を達成しやすくなります。

また、
「経費削減」
と書くよりも、

年間コスト▲100万円
のように、フレーズの中に数字を入れると、さらに具体的になります。

同じように、
「早起きをする」
と書くよりも、

朝5時に起きる
のほうが具体的です。

また、
「1日5km歩く」
と書くよりも、

東京駅まで歩く
と書くほうが、場所が入っていて目標がより明確になり、達成しやすく感じられます。

9マスノートの「マスの制約」が思考を研ぎ澄ます

9マスノートには、長い文章を書くスペースがありません
そのため、限られたマスの中で、自然と「何が重要か?」を考える習慣が身につきます。

  • シンプルな言葉にすることで、理解しやすい。
  • 短く具体的に書くことで、実行しやすい。
  • 制約があるからこそ、考えが研ぎ澄まされる。

9マスノートに書くことで、考えを整理し、行動につなげる言葉を生み出すことができるのです。

9マスが埋まると、やるべきことが見えてくる

マスに書かれる言葉は、自分が自分のために作ったフレーズです。
その中には、思いがけず力が湧いてくるような良いフレーズが生まれることもあるでしょう。
俳句のような心に残るフレーズもあるでしょう。
口ずさみたくなるようなリズム感のあるフレーズもあるでしょう。
これ全て自分が考えた言葉です。

最初は何も書かれていない9マスに、自分の頭の中にあることを言葉にして書く。
そして、マスが一つずつ埋まっていく。

9マスがすべて埋まったとき、
「自分はどうすればよいのか?」
「自分が本当にやりたいこと」「今すべきこと」
が、はっきり見えてきます。

(中島正雄)

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ノートは1冊で公私混同がいい

ノートは1冊で公私混同がいい

わたしのお気に入りの M9notes は、14cm×9cmのポケットサイズです。
ボタンダウンシャツの胸ポケットに入る大きさで、手のひらにすっぽり収まる、ちょうどいいサイズ感。

紙の筆記特性も良く、クリーム色の紙色が目に優しい。
見開きページの左ページには緑色の罫線で9マスが、右ページは方眼になっています。

M9notesの使い方

M9notesは見開きで使います。
一番よく使うのは、9マスの中央に今日の日付を書き、今日一日のやることや思いついたことを1マスに1つずつ書いて埋めていく方法です。

マスが足りなくなったら、余白にフリーハンドで正方形のマスを書き足します。

このやり方でM9notesを使い続けて、すでに58冊目になりました。
だいたい1か月に1冊のペースです。

わたしの頭の中にあることは、すべてこのM9notesの中にあります。

ノートは分けるべきか?

「9マスノートは、ビジネス用とプライベート用に分けて使うべきでしょうか?」

そう聞かれることがあります。

しかし、わたしは30年前に読んだ『「超」整理法」 を思い出し、こう答えます。

「ノートは1冊で分けません。時系列で使います。」

わたしのノートの使い方は、野口悠紀雄教授の「押し出しファイリング」と同じやり方です。
30年間、この方法で困ったことは一度もありません。

メモを紙切れに書くのはもったいない

メモを付箋や紙片に書くのは、もったいないです。
なぜなら、後でなくなるから。

ノートに書いておけば、なくす心配はほぼありません。

わたしの仕事のアーカイブは、デスクトレイの中にあるM9notesの束です。

M9notesを使い終わると、表紙に通し番号と使い始めた日付を入れ、机の上に10冊ほど積んでおきます。
だいたい1年分です。

それ以前のノートはデスクトレイの中に保管。
たまに昔のノートを見返すと、その時の記憶が瞬時によみがえります。

(中島正雄)

◆ 編集後記

「人生を変える一冊は?」と聞かれたら、いくつかの本が思い浮かびます。
その中の一冊が、野口悠紀雄教授の『「超」整理法」 です。

わたしが転職をした1993~1994年ごろのベストセラーでした。

改めて『「超」整理法』を読もうと思い、本棚を探しましたが見つかりません。
仕方なく、Amazonで再び購入し、福岡行きの飛行機の中で読みました。

結果、最高でした。

おそらく、30年前に読んだときとは違う部分に線を引き、ページの折り目も後半に多くできました。

今読んでも、新しい発見がある。
素晴らしい一冊でした。

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目標は人生を豊かにする

目標は人生を豊かにする

9マスノートは、中央に正方形の3×3の9マスが引かれたノートのことです。
縦にしても横にしても同じ形の正方形のレイアウトが、このノートの特徴です。

正方形はとても美しい形です。
美しいものを見ると、脳が活性化し、思考が広がります。
9マスノートは、この「9マスの形の力」を使って考えるためのツールです。

目標を9マスノートに書くとどうなるか?

まず、中央のマスに目標やテーマ、考えたいことを書く。
そして、9マス全体をじっと見つめる。

すると、不思議なことに、脳が自然に反応し、周りの空いているマスを埋めたくなるのです。
これは、人が本来持っている認知機能の一つです。

9マスノートは、この誰もが持つ「埋めたくなる心理」を活用し、自分で考える力を引き出すように設計されています。

マスの制約が、思考を研ぎ澄ます

中央に目標を書いた場合、周囲のマスには「どうすれば目標を達成できるか?」という行動や計画が書かれることになります。

9マスノートのもう一つの特徴は、書くスペースが限られていることです。
マスの中に長い文章を書くことはできません。

そのため、余計な言葉を削ぎ落とし、2〜3語の短いフレーズにする必要があります。
この制約が、考えをシンプルにし、「本当に大事なこと」に集中できるようにしてくれます。

考えながら言葉を絞り込むことで、行動や計画が腑に落ちるようになり、
目標達成に向けた道筋が、より具体化されていくのです。

目標を視覚化し、行動につなげる

目標は、書く前までは頭の中にあるだけで、目に見えません。
しかし、9マスノートに書くことで、文字として目に見える形(視覚化)になります。

ここまで来れば、あとはマスに書いたことを行動に移すだけです。

1つのマスに書かれた行動は、目標に近づくためのステップです。
この「目標に向かう行動」のことを「努力」といいます。

周囲のマスに書いた行動を一つひとつ実行していくこと。
つまり、努力を積み重ねることを「ベストを尽くす」といいます。

大谷翔平選手の「目標達成シート」

大リーガーの大谷翔平選手が高校生のときに書いた「目標達成シート」は、まさに9マスノートの考え方と共通しています。

そのマスの一つには、野球とは関係のない「ゴミを拾う」という行動が書かれていました。

実際に、大谷選手はメジャーの試合中でも、グラウンドのゴミを拾ってポケットに入れるシーンがよく見られます。
彼にとっては、これも目標を達成するための行動の一つなのです。

ゴミを一つ拾うごとに、目標に近づいていく。
大谷選手の行動は、「小さな積み重ねが、大きな成果につながる」ことを証明してくれています。

あきらめなければ、目標から遠ざからない

目標に向かって行動を続ける限り、目標から遠ざかることはありません。

オリンピックのメダリストたちがよく「あきらめなければ夢は叶う」と言っています。
これは、実際に努力を積み重ねてきた人だけが言える言葉です。
そして、それは本当のことだと思います。

漫画『スラムダンク』の安西先生の名言、
「あきらめたら、そこで試合終了ですよ。」
この言葉も、多くの人の心に残っています。

目標があることは、人生を豊かにする

目標があるというのは、それだけで素晴らしいことです。
目標があるからこそ、「どうすれば達成できるか?」を考え、行動する。

このプロセスを積み重ねることで、
目標を持つこと自体が、人生を豊かにするのだと思います。

(中島正雄)

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「書くこと」が自信につながる

「書くこと」が自信につながる

高校生からアメリカ大リーグ・アスレチックスとマイナー契約を結んだ、桐朋高校3年の森井翔太郎選手(18)が話題になっています。ニュースで彼の「野球ノート」の存在を知り、興味を持って調べてみると、このノートには単なる練習の記録以上の大きな意味があることがわかりました。

母と交わした「野球ノート」

森井選手は、小さい頃から母親の純子さんと意見交換する「野球ノート」を続けていました。
その日やった練習内容や、気づいた点を母とやりとりしたのが『野球ノート』でした。

母親の純子さんは野球の専門知識がなかったそうですが、それでも息子の成長を支えるために、ノートを通じて対話を重ねました。ノートに書くことで、単なる練習の積み重ねではなく、気づきを記録し、見返し、成長につなげる習慣が生まれたのです。

森井選手自身も「(ノートが)手助けになった」と語っています。

書くことが、小さな差を大きな差に変える

実は、野球ノートのような「振り返りのノート」をつける選手は少なくありません。
野球に限らず、サッカー、バスケットボール、陸上競技など、さまざまな競技のトップアスリートが「ノートに書く習慣」を大切にしています。
さらに、これはスポーツに限ったことではありません。
ノートに書くことは、単なる記録ではなく、自分の思考を整理し、言語化し、振り返るための重要なプロセスなのです。

・ 紙に書くことで、振り返りができる。
・ 自分の中にある漠然とした考えを言語化できる。
・ 言語化することで、意識が変わり、行動も変わる。

この「書く」という行為ができるかどうかで、小さな差が、やがて大きな差になるような気がします。

9マスノートで振り返ると、なぜ良いのか?

振り返りに9マスノート(M9notes)を使うことで、より深い気づきや発見が得られます。

  1. マスの力で「考え出す」
    9マスの中に空白があると、人は自然と「埋めたくなる」心理が働きます。
    埋めようとすることで、無意識のうちに考えを巡らせ、新たな気づきや発見、ひらめきが生まれやすくなります。
  2. 言葉をそぎ落とし、短いフレーズにする
    マスの中に書くスペースは限られています。
    そのため、余計な言葉を削ぎ落とし、シンプルで本質的な言葉にまとめる必要があります。
    短い言葉にすることで、自分の考えがより明確になり、「腑に落ちる」感覚が生まれます。
  3. 一目で全体像を把握できる
    9マスが埋まったら、書いた内容を眺めてみましょう。
    マス同士の関連性が見えてきて、新たな気づきが生まれます。
    「この考えと、この考えがつながっていたのか!」と、これまで気づかなかった関係性を発見できることもあります。
  4. 過去の振り返りがしやすい
    9マスノートを保存しておくと、後で見返すときに絵として捉えることができるため、記憶がよみがえりやすくなります。
    スマホの文字はスクロールして見るため、過去の情報を探すのが手間ですが、9マスノートなら視覚的にパッと振り返ることができます。

スマホとノートの違い-「量が目に見える」ことの力

今の時代、スマホでも文字をやりとりできます。
メモアプリに書いたり、LINEやメールで考えを残したりすることもできるでしょう。

でも、それはノートとは確実に違います。

スマホにどれだけ文字を書いても、画面の大きさは変わりません。
スクロールすれば過去の記録は出てきますが、「どれだけ書いたか」という量の実感が得にくいのです。

その点、ノートは違います。
1冊、2冊と積み重なり、目の前に「自分が書いたもの」が増えていく。
その物理的な重みと厚みが、成長の実感につながるのです。

・ 「これだけ書いたんだから、大丈夫。」
・ 「1年前と比べて、こんなに考えが深くなった。」

この感覚は、スマホの画面を見ているだけでは得られません。
だからこそ、アスリートも、ビジネスパーソンも、「ノートに書く」ことを大事にしているのではないでしょうか。

「書いたことは実現する」-M9notesとノートの力

9マスノート(M9notes)は、書くことで思考を整理し、未来をつくるツールです。

・ 中央のマスに「目標」や「テーマ」を書き、周囲に具体的なポイントを書く。
・ シンプルな書き方が、思考を整理し、記憶に残り、次の行動へとつながる。

スポーツに限らず、どんな分野でも、「書くこと」が成長のきっかけになります。
あなたも今日から、9マスノートに何か書いてみませんか?

まとめ

・ 森井選手の「野球ノート」は、母との対話を通じて成長を記録するノートだった
・ 部活ノートや先生との交換ノートなど、「書くこと」を通じた成長の場面は多い
・ 9マスノートを使うと、新たな気づきや発見が得られる
・ 言語化してノートに残すことで、小さな差が大きな成長につながる
・ スマホと違い、ノートは「量が目に見える」ことで成長を実感しやすい
・ M9notesを活用すれば、自分の気づきや成長を整理し、未来につなげることができる

まずは1ページ、今日の気づきを書いてみませんか?

(中島正雄)

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ノートに書くと成長を実感できる

ノート書くと成長を実感できる

ドラマ「まどか26歳、研修医やってます!」の中で、指導医役の奥田瑛二さんが、主人公の研修医・まどか(芳根京子さん)に言ったセリフが印象的でした。

研修医のまどかが残業を終えて職員室に戻ると、指導医の角田が居残りで、大学ノートに患者一人ひとりについて、日記のように鉛筆で記録していました。机には、これまでのノートが10年分も積み重ねられています。まどかはそのノートを見て、「すごい…!」と驚きます。

すると角田が、こう言います。

「やっぱり紙に書くのはいいね。忘れないし、自分の成長を確認できる」

この言葉を聞いたとき、私はすぐに9マスノート(M9notes)のことを思い浮かべました。

今は何でもスマホで済ませてしまう時代です。メモもスケジュールもデジタル管理が主流になり、手書きの習慣が減っています。確かに、スマホは便利です。

しかし、それとは逆に、紙に書いて「考える」「記憶する」「振り返る」ことのほうが、実はより深い学びにつながるのではないでしょうか。

昭和世代の指導医が、今どきの若者に向けて言った何気ない一言でしたが、その言葉には大きな意味を感じました。
紙に書くことで、思考が整理され、記憶に定着し、あとから見返したときに自分の成長を実感できる。
角田先生の言葉は、まさにその本質をついています。

9マスノートは、単なるメモ帳ではなく、「自分の成長を視覚化するツール」です。
1日1ページ書いていけば、1ヶ月後、1年後には、まるで角田先生の10年分のノートのように、あなた自身の思考と経験が詰まった「財産」になります。

紙に書く人と、書かない人の差

今日やったこと、明日やること、考えたことや振り返りを、毎日ノートに書いている人と、頭の中だけで整理している人では、1年後にどれくらいの差が生まれるでしょうか?

人生を左右する大勝負のとき、これまでの経験や学びが、ノートに書き残されている人と、頭の中にあるだけの人では、どちらがより良いパフォーマンスを発揮できるでしょうか?

結局のところ、頭の中にあることを「ただ紙に書いてきただけ」の違いです。
しかし、その違いが、大きな成果の差を生むのです。

紙に書くと成長を実感できる

手書きの9マスが、あなたの成長を形にする

もし、あなたが何かを学んだり、新しい挑戦をしているなら、9マスノートに書いてみてください。

中央のマスに今日のテーマを書く
周囲のマスに、その日考えたことや学んだことを書く
定期的に見返して、自分の成長を実感する
たったこれだけで、思考が整理され、記憶に残り、次のステップへ進むヒントが見つかるはずです。

とはいえ、「成長を書くのは難しい」「何を書けばいいかわからない」と思うかもしれません。
それもそのはず、自分の成長は、その瞬間にはなかなかわからないものだからです。

でも、後になって振り返ったとき、「あのとき、こんなことを考えていたんだ」「この頃はこんな課題に向き合っていた」と気づくことができます。
成長は、あとから見えてくるものなのです。

だからこそ、あなたも今日から、9マスノートに何か書いてみませんか?

(中島正雄)