男マンダラ、女マンダラ

右脳と左脳がマンダラとインスパイアしたのだ!

マンダラは仏教の道具で、今から1200年前に遣唐使だった空海さんが、中国から日本に持ち帰りました。だから、わかしがインドに行ったときにマンダラを買って帰ろうと探したけれど見つからないのは当然のことでした。仏教の教えは、初めは言葉で伝えられましたが、インドから中国へ伝わると、中国人が文字にして一気に広がりました。だからお経は漢文です。それでも、仏教の教えを文字で伝えるのは難しいと、お経を絵図にしたのがマンダラです。マンダラを考えた人は、空海さんが師と仰いだ唐(中国)の恵果(けいか)和尚です。

マンダラといえば、2つマンダラが対になっている「両部マンダラ」です。向かって左側にあるのが「金剛界マンダラ」、右側が「胎蔵マンダラ」です。金剛界マンダラは「智のマンダラ」とよばれ、胎蔵マンダラは「理のマンダラ」とよばれています。

この2つのマンダラ、金剛界マンダラを「男マンダラ」、胎蔵マンダラを「女マンダラ」ともよばれています。

金剛界マンダラは、個人の心と体を統合したもの、自分の心の中、自分の分身で、つまり、これから作り出すモノが表現されています。つまり、目に見えない、現在から未来が金剛界マンダラの領域です。胎蔵マンダラは、一人ひとりの人間を含む森羅万象、仏の目から見た大宇宙のあり方が表現されています。こちらは、目に見える、過去から現在が胎蔵マンダラの領域です。なんか、右脳と左脳に似てないですか。

ここまで来て、わたしの中で、両部マンダラと人間の脳がインスパイアしました。金剛界マンダラは右脳で、胎蔵マンダラは左脳です。ならば、未来を考えるときは、金剛界マンダラを使えばいいのではないだろうか。金剛界マンダラのレイアウトは正方形の3×3の9マス。9マスを使って考えれば、右脳を使うことができるのではないだろうか。

中島正雄

引用:『弘法大師空海と出会う』河﨑一洋著(岩波新書)、『マンダラと生きる』正木晃著書(NHK出版)