練習は嘘をつかない

わたしは小学生のバスケットボールクラブ(ミニバス)のお手伝いをしています。わたしは学生時代、バスケ部でした。たまたま長男が小学3年生のとき、ミニバスに入部することになり、たまたまわたしが送り迎えに行ったときのことです。バスケットマンは学校に入るとだいたい体育館がどこにあるかわかるのです。バスケットシューズ(バッシュ)と体育館の床が擦れるときに発するキュキュという音、ピーっと激しくなるホイッスル、選手たちの声に引き寄せられるように体育館に行ました。中を覗くと汗と埃なのか、かつて嗅いだことのある懐かしい臭いに、その中に入らずにはいられませんでした。わたしは、それから直ぐにバッシュを買って、ミニバスのお手伝いの仲間に入れていただきました。あの日から20年、今は女子チームのヘッドコーチをしています。

ミニバスの選手たちは、8〜12歳の子供たちです。子供の身体能力、運動能力が著しく発達する時期です。この一生に一度だけの貴重な年代をゴールデンエイジと呼びます。わたしが預かる選手は、おそらくはじめて経験するスポーツがバスケットボール。わたしの責任は大変重いです。

勝利至上主義ではありませんが、今年のチームはなかなか試合で勝つことができませでした。負けて学ぶことは確かにあるけれど、試合に勝つことで得ることはものすごく多い。この経験を選手にさせてあげたい。煮詰まったときは原点に帰るのが一番。今まで何回も帰ったことがあります。夏休み、もう一度バスケをはじめたころの基本に戻って、地味で同じ練習を毎回繰り返しました。選手も飽きるけど、指導者も飽きます。ただひたすらに続けました。

そして、前回20点差で負けたチームのとの試合に勝つことができました。相手チームのヘッドコーチに「ずいぶん練習してきたね〜」と言われたとき、報われた思いでした。そして何より、ゴールデンエイジの選手たちに笑顔が戻って来たのがうれしかった。まだまだ、子供たちと一緒に成長できる気持ちがしました。

中島正雄