[飯箸泰宏先生の、M9notesと知能のいい話] 最終話:格子細胞とM9notesの親し過ぎる関係

一般社団法人協創型情報空間研究所
事務局長 飯箸泰宏

さて、M9notesの9つのマス目に言葉(単語類、1語または2語連結など)を配置すると、脳内では、それぞれの言葉が格子細胞に割り当てられることになります。

格子細胞は、次の図のように正三角形がたくさん並ぶように描いた格子縞の交点に脳細胞が位置するかのようになっています。

では、M9notesの9つのマス目はどこにプロットしたらよいのでしょうか。マス目に書かれた言葉(単語類、一語または二語連結など)自体は側頭葉の記憶領域に配置されているはずですが、それらがそれぞれ下記のような格子縞の交点に紐づけられることによって位置関係が脳内に出来上がるのです。

ところで、格子縞は斜めになっているので、直交する位置にマス目の内容をそのままでは紐づけられないですね。どうしましょう・・・。

図14 格子細胞が構成する格子模様は60度の傾きを持つ
図14.格子細胞が構成する格子模様は60度の傾きを持つ

では、こうしましょう!

下図のような位置の細胞にそれぞれ9つのマス目の言葉(単語類、一語または二語連結程度)を紐づけすれば、位置関係を大きく損なわすに配置できます。この配置が最もコンパクトな直交する9つの細胞の選び方になります。縦横の比率が若干違いますが、相対関係か損なわれなければ基本的な認知能力には大きな問題が生じないと考えられます。

図15.M9notesの9つのマス目と格子細胞との関係
図15.M9notesの9つのマス目と格子細胞との関係

これをじっと見ていると、あくまでも仮説ではありますが、配置されている9つの細胞と細胞の間やその周囲には、多くの空白の交点があり、そこには「何かお役に立てることはないですか」と役目を待つ脳細胞が待機しているではありませんか。

M9notesが直交する9つのマス目を採用したことは、この意味で大変良かったのではないかと考えられます。

上図のような9つの細胞が選ばれるとそのそばにいる選ばれなかった細胞や周囲の細胞は、「何か私にも!」と要求するのではないでしょうか。

畏友中島正雄氏は、曼荼羅の図柄にヒントを得てこの9つのマス目を考案したのだそうですが、正方形を3×3に並べて9つのマス目を作ったことには知能学(脳科学など)に照らしても、大きな意味があるのかもしれません。

図16.東寺 両界曼荼羅図(写真提供 便利堂)/M9notesセミナーテキストより
図16.東寺 両界曼荼羅図(写真提供 便利堂)/M9notesセミナーテキストより
図17 前図の部分拡大図=9つのマス目に仏が配置されている/M9notesセミナーテキストより
図17.前図の部分拡大図=9つのマス目に仏が配置されている/M9notesセミナーテキストより

これ以上言うと、言いすぎかもしれませんので、断言しませんが、M9notesに何か書き始めると引き寄せられるように項目間の概念やアイディアが呼び起こされ、また周囲に関連する言葉が想起されるようになる秘密はここにあるのではないかと思わざるをえません。

言い過ぎで、ほめすぎになっているかもしれませんが、M9notesは一つの空想的な仮説としてすき間の細胞の創発力を利用しているのだと思えるのです。

M9notesは面白いです。お使いになるのも面白いですが、研究対象としても面白いと思います。

素晴らしい知的な道具を開発した 畏友 中島正雄氏とM9notesに、皆さまからの温かい応援をなにとぞ、よろしくお願いいたします。

終わり

石川祐司

いいはしやすひろ

一般社団法人協創型情報空間研究所事務局長

1946年(昭和21)生まれ 。現役のシステム系講師。都立足立高校でビートたけしと同級。東京大学理学部化学科卒。同情報科学科研究生修了。1981年に株式会社サイエンスハウスを起業し、同時に教壇にも立つようになった。以来会社経営では37年、慶応大学、法政大学、明治大学等のシステム系教員としては38年の経歴を持つ。教え子は8000人を超える。精神障がい者の支援ボランティアにも従事してきた。専門は情報科学で、人工知能、移動体制御などでの実績がある。最近は、脳科学、心理学、哲学を束ねる「知能学」の創出を悲願にしている。

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